2013年度第5回研究会

2014.3.13 () 17:30-19:00協生館4F 階段教室4 (予定)

画像・色情報の定量化とマーケティング分析への適用

里村 卓也(慶應義塾大学)

 

講演概要

  画像のような非構造データのマーケティング分析での利用が注目されている。この場合、画像や色の情報を定量化するだけでなく、定量化した情報を用いてマーケティング現象や消費者行動を説明できるモデルを構築することで、現象の理解や行動の予測を行うことが可能となる。

 例えばSatomura, Wedel and Pieters(2014)では視覚的に類似したブランドによる消費者のブランド混同を測定し予測する方法を提案している。この研究で提案された手法は、類似ブランドを判別する知覚的判断テスト、画像処理によるパッケージ画像の類似性の客観的評価、知覚判断テストで取得される消費者の反応時間と正確性を表現する競争累積モデルと階層ベイズ手法による個人別モデル・パラメータの推定から構成されている。さらにモデルを用いた予測結果を利用して混同の程度を判断するための統計的判断基準についても定義し、実験データを用いて市場にあるブランド間の混同について評価を行っている。

 本報告ではSatomura, et al.(2014)をはじめとする画像・色情報の定量化とマーケティング分析への適用を紹介し、画像のような非構造データをマーケティング分析に利用する方法について議論を行う。

 

Takuya Satomura, Michel Wedel, and Rik Pieters (2014) Copy Alert: A Method and Metric to Detect Visual Copycat Brands. Journal of Marketing Research: February 2014, Vol. 51, No. 1, pp. 1-13.

 


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