2014年度第3回研究会
2014.10.7(火)
18:00-19:30協生館4F 階段教室1
CDOと相関とネットワーク
久門 正人(金融庁)
講演概要
CDOは様々な企業などの債権を集め証券化したものである。リーマンショック後、一時期取引は下火になったものの、現在USではCapital Relief Trade(CRT)として取引は活発化している。またCDO^2(CDOを切り刻んでさらにCDOにしたもの)の取引も再び見られるようになってきている。
CDOのプライシングではデフォルト率(PD)と相関係数というパラメータが非常に重要な役割を占める。PDは損失分布関数の平均値、相関は分散に影響を与える。正規分布の場合、平均値と分散が決まれば分布は決定する。一方、信用リスクの損失率の分布は正規分布と大きく異なる場合も多い。特にテール部分が厚くなっていることはよく知られている。これは大きな損失=連鎖倒産の影響によると考えられる。通常、損失分布関数はノーマル・コピュラによって求められることが多い。連鎖倒産の影響でどの程度ノーマル・コピュラからの変化が必要であるかを考察する。
実際の企業はネットワークを作っている。そのネットワークはハブが存在しその影響について議論されることも多い。格子、ランダム、バラナシ・アルバート・モデル(BAモデル=ハブがあるモデル)のネットワークによる影響はどのようになるかを考える。特にハブのあるなしのネットワークが連鎖倒産への影響を考える。
日本金融・証券計量・工学学会
高頻度データ・ビッグデータ活用法研究部会 Link